早朝ウォーキング。昨日は少し遠くまでと思い、景色を眺めながら歩く。雪を待つ秋の山。道端に美しい野花の群集。車では一瞬のムラサキ色も、歩きながらよく見たら違う。ピンクに近い紫、薄い紫、濃い紫、さまざま。
帰り道、ふと目に留まる。エゾフクロウが眠ってるように死んでいる。多分、息はない。じっと見てもやはり微動だにしない。場所的に車との衝突事故だ。森が近くても、ここでフクロウに出会えることは滅多にない。昔、夜に一度だけ車からシルエットを発見した以来。
すぐに、近くに住むアイヌの方に相談しようと連絡したが繋がらず。車で踏まれない場所かしばし確認した後、家に戻り車に箱をつんでそっとフクロウをいれた。助席に乗せるとあまりの存在感、まるで人みたい。
寝起きの娘達に見せ、一緒に庭の菊とコスモスを切ってフクロウのまわりに手向けた。アイヌの方にとってフクロウは神様だと、もちろん知っていた。引き取りにきてくれて、特別な儀式で山へ還しますと仰り、お花で囲まれた様子などをみて感謝して下さった。若い大人のフクロウだそう。茶と白の羽は本当に美しく、艶があり見惚れるほどだった。
儀式を終えたら、魂がぬけた体は山で他の動物のために捧げるという。命を繋ぐということだ。
事故で命を落としてしまったのは悲しいけれど、、、フクロウさんがちゃんと大切な形で供養されると思うと、ホッとした。ご縁があって出会っているから、神様を受け入れたこの家と家族を守ってくれるという。引越したばかりの家だから、よりありがたく感じた。
自然の話、自分の命のために肉や魚など色々な命を頂いていること、感謝すること、たまに今日のフクロウを思い出してみることなど、アイヌの方が一生懸命に子供達に伝えてくれた。そして目の前のフクロウさんと共にしっかり心で受け止めることができて、とても尊い一日だった。
下の娘が話を聞いている間、色々な感情があふれ涙がポロポロ。私の服でぬぐってこう言った。
「お母さん、いいことしたね」
そう感じてくれたなら、よかった。温かく丁寧に教えて下さったアイヌの方に心から感謝したい。